朝鮮半島の歴史
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◆概要

18世紀末から19世紀にかけて、資本主義化を進めた西欧諸国は、製品供給先、原料入手先として世界各地に浸出しました。東南アジアも例外ではなく、その影響力の中で朝鮮半島を中心とした外交秩序も変貌しました。

清と朝鮮王朝の朝貢関係は日清戦争によって、ロシアの南下政策は日露戦争によって希薄化され、日本の大陸進出の橋頭堡としての韓国併合が行われました。

列強の仲間入りをはたした日本は韓国植民地化し、第一次世界大戦をへて太平洋戦争へと突入しました。総力戦の中で植民地にも多大な被害を残し、1945年に降伏を受諾、米国占領統治に入りました(ご参考:対日占領政策)。

降伏直前のソ連の宣戦布告と朝鮮半島北部の占領により、また、戦後の米ソ対立関係が、朝鮮半島の独立に大きな影響を与えました。

米ソの占領統治をへて1948年、大韓民国、朝鮮民主主義共和国として民族分割したかたちで独立、1950年の朝鮮戦争をへて現在も尚融和の道模索しています。

 

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歴史年表(1)

朝鮮半島の歴史年表(1)
> 開国の圧力
1862年:
全国で農民反乱(民衆の改革要求)
1866年:紅華島武力衝突(
1871年:紅華島武力衝突(
1876年:
日朝修好条規(日本:不平等条約)
1880年:
西洋列強と外交関係樹立(不平等条約

<備考>
日本開国(1853)。アンコール遺跡群調査(1860)。カンボジア、仏保護国に(1863)。明治維新(1868)
> 近代化と内政干渉
1882年:
民衆の反乱(近代化政策反対)、日清派兵、駐留
1884年:
甲申政変
(日本、改革派支援)→清軍介入で失敗。日清、軍隊撤収(天津条約)
1894年:
甲午農民戦争
→日清派兵、鎮圧。日本、朝鮮占領→支配強化
1897年:大韓民国に改称
1904年:義兵の武装闘争
1905年:日本、韓国を保護国に
1907年:韓国の軍隊解散
1908年:義兵の武装闘争激化

<備考>
ハワイ共和国誕生(1894)。日清戦争(1894)。下関条約(1895)。三国干渉(1895)。中国、義和団の乱→清、列強に宣戦布告→北京議定書(1900)。米国、ハワイ併合(1900)。日英同盟(1902)。日露戦争(1904)。ポーツマツ条約(1905)
> 植民地化
1910年:
日本、韓国併合(併合条約)。統監府設置、憲兵警察統治
1919年:
全土に三・一運動(独立運動)→文化政治に転換。大韓民国臨時政府樹立(上海→重慶)
1920年:
日本、抗日武装独立軍鎮圧(満州の朝鮮人)
1945年:ソ連対日宣戦布告→ソ連軍、朝鮮半島北部占領

<備考>
辛亥革命(1911)。中華民国(1912)。第一次世界大戦(1914)。ロシア革命(1917)。パリ講和条約(1918)。関東大震災(1923)。トルコ共和国独立(1923)。満州事変(1931)→日中全面戦争(1937)→太平洋戦争(1941)→ポツダム宣言(1945)
> 占領統治
1945年:
南北分割占領統治(38度線、北側ソ連、南側米)。独立に向け臨時政府樹立(12月、米英ソ中の信託統治)
1946〜47年:
米ソ共同委員会(独立協議)
1948年:
南北会議(4月:平譲、統一国家樹立検討)、国連、南部単独政権先行。済州島武装蜂起(4月:南部先行反対)

<備考>
インドネシア共和国、独立宣言(1945)。日本、米国の占領統治(1945)。東京裁判(1946)。フィリピン共和国、独立宣言(1946)

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語句説明(1)

ロシアの南下政策
18世紀から20世紀初頭における、ロシア帝国の領土拡張政策の総称。
オスマン帝国支配の黒海・バルカン半島方面への南下政策は、アゾフ海侵出、クリミア半島占領(1771年)、ギリシア独立戦争(1821〜29年)とエジプト・トルコ戦争(1831〜32年)への介入と進められたが、クリミア戦争(1854〜56年)敗北で挫折した。
その後、露土戦争(1877〜78年)で再開するも、反発した西欧諸国(オーストリア、中東利権の英仏等)とのベルリン会議(1878年)で孤立、断念した。
中央アジア方面では、英国(インドでの権益)と英露協商(1907年、イランの南北分割、アフガニスタンは英国勢力圏)で住み分けを実施。
東アジアへの南下政策では、中国への圧力を強め、北京条約(1860年)で領土を拡張、ウラジオストック港(1860年)とシベリア鉄道(1891年)の建設着手と歩を進めた。
日清戦争(1894年)の三国干渉で清朝との関係を深め、義和団の乱で満州に出兵(戦後も撤退せず)、大陸進出を目指した日本との対立を深めた。
やがて、日英同盟(1902年)の成立、日露戦争(1904年)開戦へと進んだ。この後は東方進出をあきらめ、再度バルカン半島に関与(オーストリア・ドイツと対立。セルビア支援)して、サラエボ事件(1914年)を契機に第1次世界大戦を誘発した。
韓国併合
韓国との「韓国併合に関する条約」で、日本が併合・領土(1910年)とした。朝鮮総督府を設置、太平洋戦争に敗北するまでの35年間韓国を統治した。
日清戦争(1894〜95年)終結(清国の宗主権放棄)後、朝鮮王朝への日本(大陸進出)とロシア(南下政策)の干渉が増大、その対立は、日本の親露派閔妃殺害事件(1895年)、大韓帝国改名(1897年、独立国の主張)、日露戦争開戦(1904年)へと発展した。
開戦後の3次に渡る日韓協約締結(1904〜07年)を通して、日本による保護国化(1905年)が進んだが、抵抗運動も激しさを増した。
日本は、関連国(露英米)間の調整完了を期に韓国併合を決定(1909年)し、初代統監伊藤博文の暗殺事件(1909/10)も起きたが、韓国は条約調印を承認(1910年)した。
明治維新
ペリー来航(1853年)を契機に列強諸国の干渉が進む中、倒幕思想も強まり、天皇を中心とした薩摩・長州同盟と江戸幕府との対立が先鋭化、戊辰戦争(1868年)を経て約260年間続いた江戸幕府滅亡、明治時代へと進んだ。
19世紀後半の倒幕運動から、明治時代初期までにおこなわれた一連の改革(中央集権、富国強兵、殖産興業、文明開化)を「明治維新」という。
甲申(こうしん)政変
清仏戦争開戦中に起きた、朝鮮王朝の開化派(独立党 日本が支援)が起こしたクーデター(1884年12月)。
守旧派の事大党政権(清国が支援)を打倒・王宮を占領し、新政権(清国からの独立、門閥廃止、宦官の廃止)を樹立するも、来援した清国軍(国王高宗や閔妃の事大党の要請)に敗北、クーデターは失敗した。
翌年、日清両国は天津条約(両国軍の撤退、出兵時の事前通告)を締結した。
甲午(こうご)農民戦争(東学党の乱)
朝鮮王朝の全羅道で起きた東学の信徒を中心とした農民の反乱(1894年2月)。
全州府占領と拡大したため、朝鮮閔氏政権の要請で清国軍が出兵すると、天津条約に基づき日本軍も出兵したため、反乱は鎮圧されたが、朝鮮支配をめぐって日清戦争(1894〜95年)を誘発した。

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<一景 (栃木 足利FP)>

 

歴史概観図

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歴史年表(2)


朝鮮半島の歴史年表(2)
> 南北分裂
1948年:
大韓民国(8月李承晩大統領)、朝鮮民主主義人民共和国(9月)
1950年:
朝鮮戦争
(6月、〜1953/07)→中共、人民義勇軍参戦(10月)
1953年:
休戦協定
(7月:平和条約未締結)
1972年:
南北両政府、民族大団結の統一共同3原則共同声明発表
1983年:
ラングーンで爆弾テロ、韓国政府要人多数死傷
1987年:
大韓航空機爆破事件(11月、北朝鮮工作員のテロ、後に謀略説も)
1988年:
ソウル五輪、中国・ソ連参加(北朝鮮不参加

<備考>
中華人民共和国(1949/10)。中華民国(1949/12:台湾政府 )。警察予備隊発足(1950:日本)。サンフランシスコ講和条約(1951)。日本独立(1951)。日米安全保障条約(1951)。日韓国交正常化交渉(1951)。ハワイ、米国50番目の州に(1959)。日韓国交正常化(1965)。日中共同声明(1972)
 国交樹立・融和・・・
1991年:韓国、北朝鮮、国連加盟
1992年:中韓外交樹立(8月)
1994年:
北朝鮮、IAEA脱退宣言。金日成主席死去
1996年:
北朝鮮潜水艦が韓国潜入(9月)
1998年:
日韓パートナーシップ宣言(小渕首相、金大中大統領:経済・文化交流)
2000年:
南北共同宣言(6月:金大中、金正日両首脳)。シドニー五輪、南北共同行進。南北朝鮮、離散家族ソウルで再会
2002年:
日朝首脳会談
、平城宣言。らち被害者5名帰国。北朝鮮、核兵器開発表明
2003年:
北朝鮮、NPT脱退を宣言。北の核、日米韓中露朝6者会議
2006年:
北朝鮮、ミサイル7発発射。北朝鮮地下核実験
2007年:
北朝鮮の核停止、見返り支援で合意へ、6者協議。韓国、拉致被害に補償金。韓国大統領、北朝鮮・米国・中国との4か国首脳会談を提案(朝鮮戦争の休戦協定→平和協定)。北朝鮮、日本海に複数の地対艦ミサイル発射。南北首相会談(盧武鉉・金正日)。首脳合意履行の具体策協議。黄海の共同漁業水域設定、南北の交渉決裂…将官級会談。韓国李新大統領
2008年:
10年の和解政策実らず、北がW杯予選で韓国の国旗、国歌拒否。韓国、新政権初の北支援を決定・防疫事業など20億円北朝鮮「南北対話を全面中止」、韓国軍答弁に反応。日韓首脳会談、実利掲げ修復の一歩。「竹島」で抗議、韓国駐日大使帰国。北朝鮮核申告、軍事は除外。北朝鮮、東南アジア友好協力条約調印へ。北朝鮮兵、金剛山観光の韓国人女性を射殺

<備考>
ベルリンの壁崩壊(1989)。湾岸戦争(1991)。村山首相謝罪(1995/08:植民地支配と侵略)。日中共同宣言(1998)。NATO軍ユーゴ空爆(1999)。トルコ、金融危機(2001)。米同時多発テロ事件(2001)。アフガンに移行政権(2002)。第2次湾岸戦争(2003)。イラクに暫定政府(2004)。ロンドン同時多発テロ。トルコ、EU加盟交渉 (2005)。タイ、軍事クーデター(2006)。ミャンマーのデモ弾圧。日本、対北朝鮮経済制裁延長を閣議決定(2007)。中国、チベット騒乱拡大。四川省で大震災。拉致問題再調査へ。日朝協議で合意、制裁は一部緩和(2008)

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<ある春 (東京 堀切菖蒲園)>

 

  

 

◆語句説明(2)

三・一運動
日本の植民地支配下の朝鮮で起きた民族独立運動(1919年3月)。
朝鮮併合(1910年)後の総督府による武断政治(言論、集会、結社の自由の喪失、同化教育)に反発、ソウルの決起で始まり、1年以上にわたり全国各地(218郡中212郡)に波及したが、日本の軍・警察により鎮圧された。
ソ連対日宣戦布告
世界平和の早急な回復を目指し、連合国のポツダム宣言(1945/07)を黙殺した日本への「武力攻撃実施」の布告。
ソ連は事前に日ソ中立条約(不可侵条約)の破棄を日本に通告(1945年4月5日)後、ヤルタ協定(1945/02 米英ソ)に基づく対日宣戦布告を実施(1945年8月8日)した。
150万の軍が国境を越え(8/9)、満州国樺太南部朝鮮半島千島列島侵攻・制圧(9/3)し、米軍による原爆投下(広島(8/6)、長崎(8/9))と共に、日本の降伏(8/15)を決定付けた。
関東大震災
相模湾で起こったマグニチュード7.9の大地震(1923/09/01正午直前)で、その被害は関東全域と静岡県・山梨県・長野県に及んだ。
死者・行方不明は10.5万人(東京で死者6万人超)、家屋焼失約45万棟、全壊13万棟、半壊約13万棟、家屋倒壊率の高かった地域は湘南地方、三浦半島、房総半島南部となった。
また、混乱下で、社会主義者や朝鮮人などへの不法逮捕虐殺事件などが起きた。
東京裁判(極東国際軍事裁判)
米英などの戦勝国(原爆投下など連合国の行為は不問)が、日本の戦争(第2次世界大戦)指導者を裁いた裁判。
「平和に対する罪(侵略戦争の実施)」や「通例の戦争犯罪(捕虜虐待など)」、「人道に対する罪(一般市民の虐殺など)」を審理(1946/05開廷)、東条ら7人が絞首刑となるなど25人が有罪(1948/11)となった。
日本は、主権を回復したサンフランシスコ講和条約(1951年調印)で裁判を受諾した。
済州島武装蜂起
朝鮮の済州島で起こった、朝鮮分断(アメリカ軍政下の南朝鮮単独選挙)に反対した民衆蜂起(1948/04)で、アメリカ軍・警察・右翼などによって弾圧された。
大韓民国成立(8月)後も、南朝鮮労働党(北朝鮮との統一選挙を主張)の武装組織が抵抗を続けたが、米軍・韓国軍などによって鎮圧(1949/06)された。
長い間、真相と実態が伏せられたこの事件も、金大中大統領の下で「四・三特別法」が制定(2000年)され、真相究明と犠牲者(約2.5万から3万人と推定)の名誉回復がなされた。
休戦協定
板門店で調印された朝鮮戦争(1950〜53年)の休戦協定(1953/07)は、南北朝鮮代表、米国・中国代表の4者によって調印されたが、完全な和平に向けての交渉は、ジュネーブ会議(1954年)で決裂した。
そのため、朝鮮戦争は未終結(戦争状態の継続)で、協定は、朝鮮半島に事実上の新たな国境である軍事境界線を生み出し、戦闘の停止と捕虜の本国送還の終了を残しただけであった。

 

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